千島海溝地震と日本海溝地震——2つの巨大地震リスク
北海道・東北の太平洋沿岸には、「千島海溝」と「日本海溝」という2つの巨大な海溝が存在します。 内閣府はこの2つの海溝で発生しうる最大クラスの地震・津波を想定し、令和3〜4年に被害想定を公表しました。 北海道の事業者にとって、特に「千島海溝地震」は直接的な脅威となります。
| 項目 | 🌊 千島海溝地震 | 🌊 日本海溝地震 |
|---|---|---|
| 主な被害域 | 北海道(日高・十勝・釧路・根室) | 東北〜北海道南部(青森・岩手・宮城等) |
| 最大震度 | 震度7(えりも町・厚岸町等) | 震度6強(岩手・青森) |
| 最大津波高 | 28m(えりも町・釧路町) | 30m(岩手県宮古市) |
| 想定死者数 | 約10万人(冬の深夜) | 約19.9万人(冬の深夜) |
| 建物被害 | 約8.4万棟 | 約22万棟 |
| 経済的被害 | 約17兆円 | 約31兆円 |
出典:内閣府「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について」(令和3年12月21日・令和4年3月22日公表)
日高管内への影響——新ひだか町・浦河町・様似町・えりも町
この1年で、日高は3度の津波警報を経験した
「千島海溝・日本海溝の巨大地震」は、遠い未来の話ではありません。私が拠点を置く日高地域では、この1年足らずのあいだに3度、津波警報が発令されました。
3度とも、幸い日高では大きな被害は出ていません。しかしそれは幸運の積み重ねであって、備えの成果ではありません。むしろ「3度とも大丈夫だった」という経験が、「どうせまた来ない」という気の緩みを、静かに広げてはいないでしょうか。海の下では、地殻のエネルギーが確実に蓄えられ続けています。3度の警報は、その動きが送ってきた3度のサインです。4度目のサインが「本番」でないという保証は、どこにもありません。
桜の名所が、避難の車で埋まった日
新ひだか町静内には、「二十間道路桜並木」があります。2,000本を超えるエゾヤマザクラが7kmにわたって咲き誇る、「さくら名所100選」「北海道遺産」にも選ばれた桜並木です。毎年5月の「しずない桜まつり」には全国から花見客が訪れます。
その二十間道路が、2025年7月の津波警報のとき、避難しようとする車で渋滞しました。花見客で賑わうはずの道路が、避難の車で埋まったのです。この光景は、地域にとって象徴的でした。平時の賑わいと、有事の混乱が、同じ場所で起こりうる——それが、日高に暮らす私たちの現実です。
逃げる時間が、ほとんどないかもしれない
東日本大震災では、津波の到達まで数十分の猶予があった地域も少なくありませんでした。しかし千島海溝地震は震源が近いため、逃げる時間がほとんどない可能性があります。日高地域の太平洋沿岸では、最大震度7相当の揺れと、数分から十数分以内に到達する津波が想定されています。えりも町では、最大28mという津波高の推計もあります。「揺れたら、すぐ高台へ」——その数分が、生死を分けます。
日高で暮らす一人としての記録を、note記事でも詳しく綴っています。note記事で読む。
あなたの備えは、どこから始めますか
地震のリスクは、家庭にも、会社にも、等しく迫っています。大切なのは、「知る」で終わらせず、「備える」へ進むことです。あなたの立場に合わせて、今日から始められる方法があります。
避難場所、連絡手段、備蓄——いざという時に家族が同じ行動をとれるよう、計画を一度ちゃんと形にしておく。質問に答えるだけで、無料・匿名で作成できます。
FCP-AIで家族の計画をつくる家庭でできる、今日からの備え
大がかりな準備は必要ありません。まず押さえるべきは、次の3つです。
これらを「我が家のルール」として一度きちんと決めておくのが、家族の防災計画(FCP)です。FCP-AIを使えば、質問に答えるだけで、無料・匿名で計画書を作成できます。
FCP-AIで家族の防災計画をつくるBCPとは——「防災計画」との決定的な違い
「うちには防災マニュアルがある」という経営者の方も多いでしょう。しかし、防災計画とBCPは根本的に異なります。 防災計画の目的は「命を守ること」、BCPの目的は「経営を守ること」です。
| 防災計画 | BCP | |
|---|---|---|
| 目的 | 命を守る | 経営を守る |
| 主な内容 | 避難・備蓄・安否確認 | 事業継続・雇用維持・取引先対応 |
| 対象期間 | 災害直後 | 災害後の復旧・再開 |
| 対象 | 従業員の安全 | 事業・顧客・取引先・資金 |
東日本大震災では、BCPを持っていた企業と持っていなかった企業で、その後の事業継続率に大きな差が生まれました。 千島海溝・日本海溝地震は東日本大震災を超える規模が想定されています。 BCPがない会社は、災害後に事業を再開できず廃業に追い込まれるリスクがあります。
「ジギョケイ」認定で、BCPが補助金・融資の武器になる
BCPを策定することには、災害対策以外のメリットもあります。それが事業継続力強化計画(通称:ジギョケイ)の経済産業大臣認定です。 令和元年7月の施行以来、全国で10万件以上の認定が行われています。
※具体的な優遇内容や適用条件については、最新の公的機関の情報をご確認ください。
BCP-AIで、60分でBCPを完成させる
従来のBCP策定は、専門家に依頼すると数十万円、自社で取り組もうとすると膨大な時間と専門知識が必要でした。 これが、中小企業のBCP策定率が低い最大の原因です。 BCP-AIは、AIとの対話形式でBCPを策定できるサービスです。専門知識がなくても、約60分でBCPの骨格を完成させることができます。
詳しく読む——note記事
中小企業診断士・大川和久が、千島海溝地震リスクとBCPについて詳しく解説しています。
noteで記事を読む※ 本ページの被害想定データは、内閣府「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について」(令和3年12月21日・令和4年3月22日)に基づきます。 (内閣府防災情報)
※ BCP策定率データは、経済産業省北海道経済産業局「道内中小企業における事業継続力強化・BCPの現状について」(令和6年8月)に基づきます。